山のモノ。

こだわりの軽量化・登山道具を語りたい。

【軽量化】El Chalten 1.5p【テント】

f:id:monotral:20200126165254j:plain

【軽量化の軌跡 「テント」編】

 

 

2174g(公式) oxtos「アルパインテント2人用」
(フットプリント・ペグ・ガイライン・スタッフバッグ 込み)

〇丈夫だが安い。フットプリント、コンプレッションバッグがついて3万円台。
〇2人用なので、フロアがとても広い。
〇ペグが余分に必要だが、前室を台形にできて、前室スペースが広い。
〇天井四隅にループがついていて、細引きを渡して物が吊れる。
〇きれいな黄緑色。
・近年の山岳テントに比べると、やや重い。 

f:id:monotral:20200126164855j:plain

 

 ↓

 

1700g(実測) ZEROGRAM「El Chalten 1.5p」
(フットプリント・ペグ・ガイライン・スタッフバッグ 込み)

◎フライ・本体・フットプリント連結システムにより、設営・撤収が速すぎる。
◎本体生地「モノフィラメント」により、結露の心配なし。ほぼゼロ。
〇広さがちょうどよい。荷物も置けて広々。入口は2か所!前室も十分。
・本体とフライの圧着部分が脆い。(最新型では改良されている)
・天井にループがなく、物が吊るせない。
・そこまで軽くない。

f:id:monotral:20200126165254j:plain

 

 

【テント軽量化 -474g】

  

経緯

テント泊を本格的に準備し始めたころ、
僕はストイックな自分というものを夢見ていた。
荷物が重くても、自分がこだわった道具を担いで、テント泊を楽しみたい。
今は、如何に納得する構成で軽量化していくか、というこだわりにシフトしたわけだ。
そんなわけで、少々重いけれど安くて丈夫と評判のoxtos「アルパインテント2人用」は、
ストイックらしき自分を満足させる買い物だった。

実際「アルパインテント2人用」は、十分満足いくテント。
やや重い、という以外に、買い替えたい理由は見つからなかった。
樹林帯のテント場で2回ほど使っただけだが、今は弟に譲渡している。

軽量化を意識していた2年目。狙っていたテントは2つ。
現在の「El Chalten 1.5p」と、ヘリテイジ「ハイレヴォ」だ。
「ハイレヴォ」はちょうど発表があり、フットプリント込でも総重量1200g以下と、かなり惹かれた。
しかし、ネットでセールをやっていたのを見て、思わずポチッたのは、「El Chalten 1.5p」だった。
僕は、新型とか機能的なモノに弱い。
「El Chalten 1.5p」の。フライ・本体・フットプリントが一体になっているシステムや、
モノフィラメントという他にはない素材の機能性を、試してみたくて仕方がなかったのだ。
「ハイレヴォ」発売まで待てなかったということも。レビューが出てくるころにはシーズン終わっちゃうし。

 

現在のモノについて

「El Chalten 1.5p」を実際に使ってみて、感動した点が2つある。

①フライ・本体・フットプリント連結システム

これが本当にすごい。テントの設営が爆速。

①広げて四隅をペグダウン。

②ポールを組み立てて、フックを引っかける。もうテントになる。

③四辺をペグダウン。

④ガイラインを引いてペグダウン。

…なんか、文字にするとあまり速そうに感じないのだけれど。
フライからフットプリントまで連結しているので、フックに引っかけたら全部出来上がっている。
実際に、今は速けりゃ5分以内、ゆっくり立てても10分以内だろう。
撤収はもっと早い。3分でしまって、フロントポケットに突っ込んで終わり。

実は、速さのためにガイラインに一工夫。
テント側とペグ側の両方に軽量自在を付けて、両端をループにしている。
ペグ側は、時には広げて岩にかける。自在で広げるので、どんな岩にもジャストフィット。
テントのループにはカラビナを付けてガイラインを通し、張りの調整はこちらで。
岩側のガイラインは動かないので擦れない。カラビナのおかげで、テントのループの摩耗も防げる。
さらに、撤収時はペグ側ループをカラビナにかければ、まとめる手間も省ける。
この、両端自在システムを思いついてからは、ガイラインの始末も爆速になった。

 木曽駒ケ岳では風雨の中での撤収になったが、本当に速くてストレスゼロ。
もはや快感。これはやめられない。

②モノフィラメント

詳細は公式サイトや、他の方のレビューを見ていただくとして。
簡単に言えば、密度の濃いメッシュ?風はちょっと通る。水滴は弾く。
結露で悩まされることはなくなった。室内さらっさら。
シュラフエスケープヴィヴィをつけていたが、
撥水ダウンくらいにすれば、カバーは完全にいらなくなるだろう。
ってことで、シュラフの更新を画策中。これで、カバー分の軽量化ができる。

実際には、風が通って少し寒いこともある。
木曽駒ケ岳では夜間暴風雨にさらされ、シュラフを頭までかぶることになった。
その辺は、シュラフ周りで工夫が必要になるかな。

●気になる点

非常に気に入っているが、気になる点もいくつかある。

一つは、フライと本体の連結部分の圧着が脆いこと。
木曽駒ケ岳の暴風雨に怯えながら何とか耐え、立山でちょっときつめに張ってみたら、
圧着部分が取れて天井が下がってきた。
何とか立っていたが、頭が当たって不便だった。
保証期間だったので、無料で修理してもらったが、戻ってくるのに2か月弱かかった。
最新型の「El Chalten Pro 1.5p」は、縫い付けになっているそうで、この心配は軽減されそうだ。

次に、天井部分のループは天辺の一つのみ。
ランタンは吊るせるが、タオルなどは干せない。
重量をかけると圧着が取れてしまうだろうから仕方がないか。
晴れていれば、多少の物は、フライの外側に露出しているポールに引っかけて干すことはできる。
見た目は美しくない。
まあ、これはあればいいくらいで、妥協できる点ではある。

そして、昨今の軽量テントに比べると、総重量1700g。そこまで軽くない。
ハイレヴォにすればさらにー500g。ワンポールテントとかなら、-1kgも狙える。
しかし、上記2点の感動ポイントが感動過ぎて、今のところ、他のテントに変える気が起きないんだよなぁ。

今後の方針

更新するとしたら、一気に軽量化に舵を切ると思う。
候補としては、ヘリテイジ「ハイレヴォ」、もっと軽くするならZEROGRAM「ZERO1 MF」あたり。
LOCAS GEAR「Khufu」なんかも気になってはいる。
どれも、快適性や対候性を犠牲にすることをどこまで許容できるかが問題。

しかし、「El Chalten 1.5p」の快適さからは逃れられそうもない。
それほどまでに、爆速な設営・撤収と、結露無縁のモノフィラメントが魅力的。

いっそ、最新型の「El Chalten Pro 1.5p」に買い替えたい。
今の旧式に感じていた欠点を完全に修正している。

  • 連結が取れないよう、バックル式になっている。(旧式はすぐ外れる)
  • ポールとフライの間を狭めて強度を高めている。(暴風雨でおびえなくてよい)
  • 圧着部分が縫い付けになっている。(壊れる心配が減少)

あぁ…今のテントが完全に壊れたら、もう、これを買おう。